「FACE展2022」 この感覚に付いていけるか?!

FACE展2022 美術展・写真展

SOMPO美術館【FACE展2022】の内覧会に参加してきました。

この企画展では写真撮影OKです。ただし、三脚・フラッシュNGなどの注意事項には従ってください。

展示内容

公式サイトの説明によると、

SOMPO美術財団の公益財団法人への移行を機に創設された本展は、今回で10回目を迎え、新進作家の動向を反映する公募コンクールとして定着しつつあります。
「年齢・所属を問わず、真に力がある作品」を公募したところ、全国各地の幅広い年齢層の1,142名の新進作家たちからご応募を頂きました。三次の「入選審査」と三次の「賞審査」を経て、国際的に通用する可能性を秘めた、入選作品83点(内受賞作品9点)を決定いたしました。

【FACE展2022】 | SOMPO美術館

とのこと。ということで、今回も内覧会に参加することができました。

この公募展の面白いところは、オーディエンス(つまりは、あなたや私のような一般のお客さん)が展示されている入選作品の中から気に入った一枚を選んで投票し、”オーディエンス賞“が決まるというもの。内覧会では準備の都合で投票ができなかったんですが、これから観に行くみなさんは自分の“お気に入り”を見つけて投票してみてくださいな。

審査員が選んだのは、グランプリ一点、優秀賞三点、読売新聞社賞一点、審査員特別賞四点、そして七十四名が入選者となっています。

こちらがグランプリの新藤杏子さんによる「Farewell」。ミレーの「オフィーリア」を彷彿させるようでいて、辺りはもっと明るい。しかも、”farewell(さようなら)”とささやいているかのような、もう一人の人物が側で覗き込んでいるよう。入水前と言うよりは、静かに空を眺めているのだろうか。何か、静かで優しい気持ちにさせてくれる。「日頃の嫌なことに”さようなら”」ということなのかな。

写真撮影に失敗したので、公式サイトからリンク
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2020/face2022/

審査員特別賞の二点。色とりどりの花が舞っているような一枚と、それとはかなり対称的な“汚部屋”。
さて、これらはどう観れば良いのだろうか。子どものお絵描きの花と、この「お花ランド」は同じものなのか、何を語っているのだろうか。
「一人で死にたくない」の汚部屋は、現代の静物画なのだろうか。

FACE展2022

右側の作品「暗い瓦礫と栄光の瓦礫」は審査員特別賞の一点。小さいながら三菱のマークが目に付く。「空飛ぶタイヤ」でよく知られた「三菱リコール隠し」やらなんやら、お騒がせメーカーに対する告発なのだろうか。

FACE展2022

私は漫画を読まないし、アニメもほとんど観ないので、この感じは苦手だ。エッジがくっきりしているのは浮世絵の三美人図に通じる描写なのだろうか。

FACE展2022

優秀賞の一枚、大山智子さんの「AMAKUSA」。ネガとも違う、色の転換が不思議。

FACE展2022

蔵田和夫さんの「BREAD・135」。確かに、パンです。どう見てもパン。

FACE展2022

石橋暢之さんの「Tower」の一部を接写したもの。ボールペンで細密に描いた風景画です。とにかく細かい。気が遠くなりそうなほど細かい。

FACE展2022

中嶋弘樹さんの「forma」。植物(?)は線画で描かれていて、鉢は紙を貼ってます。大きさや色が異なる鉢が並び、そのリズム感が観ていて楽しい作品なので惹かれてしまいました。

FACE展2022

山中眞理さんの「RED (赤べこ考)― I」。赤い色なのはそうなんだけど、なんで“赤べこ”なのか最初はよくわからなかったのですが、、、

FACE展2022

近寄ってみると、一面に真っ赤に塗られていたように見えたのですが、実は縦横の赤い線で描かれています。まるで、布を糸で織っているような感じ。赤べこって、和紙を型に貼り付けて成型するのですが、赤い布を使ったものもあるんですかね。まあ、それをイメージしているのかどうかは分かりませんが。

FACE展2022

感想

なんというか、難しかった。漫画やポップなイラストのような作品も多かったし、子どもが描いたように単純化した描写もあったり、極端にデフォルメしたり色相を変換させたものだったり。オリジナリティを求めてのことなのか、表現したいものがこの方法が一番だと思ったのか、なかなかに“解釈”が難しい。
各審査員が一枚を選ぶ審査員特別賞の四点を見ても、それぞれ全く異なっているように見える。アートに対する共通概念が再構成されている時期なのだろうか。ダイバーシティは意味あることだが、一方で全てがそれぞれに“オンリーワン”だとなると、このようなコンクールで作品を選ぶことに意味があるのかも不安定な状況となりそう。

公式サイトでは

油彩、アクリル、水彩、岩絵具、版画、染色、ミクストメディアなど技法やモチーフは多岐にわたりますが、見る者の心に潤いと感動をもたらしてくれることは共通しています。

【FACE展2022】 | SOMPO美術館

と「共通性」があると言っていますが、なかなかに難しいものですね。
その意味で、「オーディエンス賞」がどのように選ばれるかが気になるところです。票がばらついて僅差になるのか、それとも共通感覚の軸があって、その中で優劣が付くのか。

今回のFACE展、かなりエキサイティングな体験でした。

美術展情報

  • 会期 : 2022/2/19(Sat) – 3/13(Sun)
  • 開館時間 : 10:00 – 18:00
  • 休館日 : 月曜日
  • 料金 : 一般 700円 、高校生以下 無料
  • 公式サイト : 【FACE展2022】 | SOMPO美術館
  • 図録 : 1,000円
  • 下の写真の通り、自分のスマートフォンを使って音声ガイドが利用可能です。ただ、私だけの問題だったのか分かりませんが、楽天モバイルだと電波が弱く、ダウンロードできませんでした。弧の写真からQRコードを読み取って、事前にダウンロードしておくといいかも知れません。ただ、各作品の解説もそれぞれQRコード読み取り式なので、その場でダウンロードできないと意味がないかも知れませんが。
FACE展2022

コメント

  1. 中野 潤子 より:

    どの作品も今を表現しているのでしょうね。こういう刺激を受けたいのですが。

    • bunjin より:

      多種多様な作品が並び、これは何だ?!の連続。確かに刺激的でした。