「とんび」親の視点、子の視点、どちらから見てももらい泣きしそう

スポンサーリンク
とんび 映画・演劇
記事内にアフィリエイト広告が含まれています。
以下の内容は、いわゆる「ネタバレ」を含んでいます。

ワタシアターの試写会で観てきました。

★ あらすじ

息子のアキラが父ヤスの人生を語る形で物語が進む。舞台となる時代は前後に移り変わり、その時代時代の親子の物語が断片的に示される。

瀬戸内の海沿いの街で運送会社の担ぎ手として働くヤス。彼は幼い頃に両親と離れてしまったためか、自分の家族に対する想いは人一倍強かった。そんなヤスは、原爆で両親をなくした美佐子と結婚し、アキラが生まれたのだ。貧しいながらも家族のために懸命に働くヤス。休みの日には親子三人で浜辺で遊ぶ。そんな平凡な暮らしがヤスにとって、そして美佐子にとっても何よりの幸せだった。

だが、そんな家族を不幸が襲う。事故で美佐子が亡くなってしまったのだ。そこからヤスとアキラの二人の生活が始まる。だが、街の人々は誰も彼もが“仲間”であり、アキラは街のみんなに育てられていく。特に、ヤスの小学校からの先輩が女将をする居酒屋ではみんながいつも集まり、寺の住職はアキラに人生を説く恩師であり、子供のいない住職の息子夫婦は文字通りにアキラを我が子のように思っている。

不器用ながらも賢明に父として頑張るヤスだが、アキラが中学生になるといわゆる反抗期なのだろうか、親子がぶつかり合うようになってしまう。母の美佐子はヤスのことをかばって事故にあった、とヤスから聞かされていたアキラは、父親が代わりに死ねばよかったとヤスをなじるのだ。

そんなギクシャクした関係が続く中、アキラは東京の大学へ進学することを決意する。家族だけが、息子のアキラだけが生きがいだったヤスには受け入れがたい話だったので、なかなか了解してあげられない。

離れ離れとなろうとしている親子はこの“人生最大の転換期”を乗り越えられるのだろうか。。。

★ キャスト&スタッフ

  • 出演:阿部寛, 北村匠海, 杏, 安田顕, 大島優子, 濱田岳, 宇梶剛士, 尾美としのり, 吉岡睦雄, 宇野祥平,木竜麻生, 田中哲司, 豊原功補, 嶋田久作 村上淳, 麿赤兒, 麻生久美子, 薬師丸ひろ子
  • 監督:瀬々敬久
  • 脚本:港岳彦
  • 原作:重松清
  • 主題歌:ゆず

★ 感想

原作を読んでいないので映画を観ただけの感想になる。

アキラが生まれた昭和三十七年の備後市が最初の舞台。三輪トラックで荷物を運ぶヤスの姿が時代を感じさせる。私も似たような頃の生まれなので、いきなり子供の頃に引き戻されたような感覚になった。そういえば、あの頃は下北沢の通りも舗装されてなくて、土の道を三輪トラックが走っていたな、と。私の父は二輪のラビットで荷物の配送をしていたようだが。
そんな訳で、すぐに話の中に引き込まれてしまった。幼くして母を亡くしたのも自分に重なってしまったし。

これだけストレートな「父と息子の物語」も今では珍しいのかもしれない。母の事故死やらなんやらとはあるものの、全体としては極めて“平凡”な家族の物語なのだ。息子の反抗期だったり、結婚を決めた彼女を紹介するシーンだったり、まあ、普通の親子でもある話だろう。だが、阿部寛があまりにもストレートに「父」を演じていて、北村匠海もまさに普通の「息子」なので、その関係性が非常に際立っていた。分かり易く、誰もが共感してしまう。自分が「息子」としての思い出、「親」になっての子供との関係、そういったものがすっと蘇ってくる。

逆に言えば、このような普通の話をあえて今、映画にするということは、それだけ「普通」が普通ではなくなってきてしまっているということなのだろうか。親子関係も怪しい昨今、少なくともこのような地域コミュニティは、都会に住んでいると完全に過去のものでしかない。今や幻想でしかなくなった「サザエさん」一家の物語のように、古き良き時代へのノスタルジーとして受け入れられるのかも。
でも、それだけで終わらせては寂しい限り。今を振り返るきっかけにはなるだろう。

父親の誕生日もすっぽかしてしまっているが、また昔話を聴くのも悪くはないかなと思わせてくれる作品だった。

★ 公開情報

★ 原作本、他

コメント

  1. 中野 潤子 より:

    こういう映画もいいですね。最近阿部寛の出ている作品少し見る機会があて、この俳優さんなかなかいいと思うようになっています。

    • bunjin より:

      私は「Trick」の時からのファンです。今回の役は“不器用な父親”。いい味を出していました。

  2. 東雲 より:

    こんばんは。
    とんび は 原作も読みましたが、かなり昔にドラマを観ました。
    父親役は堤真一さん、母親役は小泉今日子さんで、
    重松ワールドだなぁ、と思ったのを覚えています。
    阿部寛, 北村匠海, 杏, 安田顕, 大島優子 など、
    好きな俳優さんが沢山出ているので、観てみたいですが・・・。

    • 東雲 より:

      昔のドラマの記憶が曖昧で(笑)
      調べたら、小泉今日子さんは、母親役ではなかったです^^;

    • bunjin より:

      重松清作品は読んだことがなくて。ドラマや映画になっているものも多いし、トライしてみようかな。