翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~

スポンサーリンク
映画・演劇
記事内にアフィリエイト広告が含まれています。
以下の内容は、いわゆる「ネタバレ」を含んでいます。

★ あらすじ

埼玉解放戦線の活躍で、東京への通行手形制度を撤廃させた麻美麗、壇ノ浦百美たち。だが、浦和や大宮などが小競り合いを始めてしまい、埼玉が分裂してしまう危機に襲われていた。そんな時に思いついたのが「埼玉に海を作って結束を高める」作戦。麻美麗は和歌山の白浜から砂を運び、埼玉にビーチを作ろうと思い立ったのだ。

だが、埼玉解放戦線のメンバーたちが白浜に到着してみると、そこは大阪の植民地となっていて、和歌山県民たちは蔑まれ、大阪人たちにこき使われていた。なんと、大阪府知事は、京都市長や神戸市長を従え、他の近畿の各県(滋賀や奈良、和歌山、そして京都市、神戸市以外の京都、兵庫の各地域)に通行許可書制度を強いていたのだ。これを知った麻美麗は、白浜の砂を得るため、滋賀解放戦線の桔梗魁と手を組み、和歌山や滋賀を開放すべく、再び立ち上がったのだった。

滋賀解放戦線の取った作戦は、琵琶湖から流れ出る唯一の川である瀬田川をせき止め、京都や大阪を干上がらせようというものだった。しかし、瀬田川をせき止めると琵琶湖の水位が上がり、滋賀県自体が水没してしまうことになる。麻美麗や桔梗魁は決断を迫られることとなった。

★ キャスト&スタッフ

  • 出演:GACKT、二階堂ふみ、杏、片岡愛之助、加藤諒、益若つばさ、堀田真由、くっきー!、高橋メアリージュン、和久井映見、アキラ100%、朝日奈央、天童よしみ、山村紅葉、モモコ、川﨑麻世、藤原紀香
  • 監督:武内英樹
  • 脚本:徳永友一
  • 原作:魔夜峰央
  • 音楽:Face2fAKE、はなわ(主題歌)

★ 感想

ずいぶんと昔の話だが、学生時代を京都で過ごしていたので、「わかる!」「その通り!!」と頷くことが何度も。そして、思わず声を上げて笑ってしまったシーンも一杯。しかも、今作は有名な映画の色んなシーンをオマージュ(パクリ?)したシーンがふんだんに盛り込まれていて、映画ファンとしても楽しめました。チョコレート工場ならぬ、粉物工場(?)のシーンは、さすがにやり過ぎだろうとは思いましたが。あと、インディアナ・ジョーンズのパクりもあったかな?とにかく、既視感のあるシーンがあちこちに登場してました。

前作と同様、埼玉のローカル(?)FM局から流れる”都市伝説”として語られる体をとっている。とはいえ、都市伝説にしてもここまでの話が倫理的に許されるのかどうか。。。まあ、私も含めて観客はみんな大笑いしていたのだから問題ないのでしょう。
名優たちの無駄遣いというか、ぜいたくというのか、とにかく知っている顔ぶれが次々と登場する。しかも、みんなエキセントリックな演技。こういうおふざけをここまで真面目に演じられるというのが名優たる所以なのでしょう。片岡愛之助の大阪府知事はしっかりと悪役をやってくれていて、しかも「母との想い出」なんていうバックグランドも背負った役になっている。神戸市長役の藤原紀香のヴィランも良かった。前回、キーマン役で出演していた伊勢谷友介は、さすがに今回は出演していないが、それにもしっかりと(?)突っ込みを入れている自虐ぶり。恐れ入ります。

世の中、「差別はいけない」というのが基本的風潮だ。ジェンダー関係はもとより、各マイノリティに対しても非常にセンシティブになっている。そんな中、この作品はあからさまな「出身地差別」をしている。果たして、これはOKなのだろうか。よくよく考える問かなり難しい問題だ。笑えるんだからいいじゃないか、では、いけないとされる他の差別と差別、いや区別できない。でも、都道府県魅力度ランキングなどという順位付けをすることも差別につながるのだろうか。もし、「これは差別を助長する映画だ」と唱えて、訴える人が出てきたらどう裁かれるのだろうか。
とにかく、今回も笑えて楽しめたのだが、今になってゆっくり考えると、意外と難しい問題提起をしている作品なのかもしれないと思い始めてしまった。

まあ、私自身は東京生まれの東京育ち、学生時代は京都に住んでいたけど、御所の東側の洛中だったし、選ばれた側なので何も恐れることはないんですけどね。
さて、第三弾があるとしたら、今度はどこがターゲットになるのかな?

★ 公開情報

★ 原作本、他

コメント