「本城直季 (un)real utopia」展

スポンサーリンク
本城直季 (un)real utopia 美術展・写真展
記事内にアフィリエイト広告が含まれています。

恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館で「本城直季 (un)real utopia」展を観てきました。

この企画展では写真撮影OKです。ただし、三脚・フラッシュNGなどの注意事項には従ってください。

展示内容

公式サイトによると、

大判カメラのアオリを利用して、都市の姿をジオラマのように撮影する独特の表現で知られる写真家・本城直季。まるでミニチュアの世界のような感覚を想起させる作品は、この世界の実在と虚構を問いかけます。
本展は、作家初の大規模個展として、未公開シリーズを含む約200点の作品で、これまでの仕事を通覧します。また本展開催地を被写体とした特別な撮り下ろし作品も展示。写真家・本城直季の目を通して見る自らの“まち”の不思議をぜひご堪能ください。

本城直季 (un)real utopia

とのこと。

展示構成は以下の通り。

  1. introduction
  2. small planet
  3. kenya
  4. small garden
  5. treasure box
  6. kyoto
  7. tokyo
  8. daily photos
  9. LIGHT HOUSE
  10. scripted Las Vegas
  11. tohoku 311
  12. industry
  13. plastic nature
  14. play room

通常、斜めに見下ろす形で写真を撮ると、遠くのものは小さく、近くのものは大きく写ります。ところが、いわゆる「チルトシフト」という撮影方法で撮影すると、遠くものも、近くのものも大きさはそのままに、ピントはある一定の距離の場所に合うように撮れます。すると不思議、ミニチュア・ジオラマのような風景となるのです。(「ティルト・ シフト撮影 | 初心者ガイド | Adobe」などを参照のこと。)
本城直季はその撮影方法で人気を博し、この撮影方法が「本城スタイル」なんて言われたこともあったとか。

そんな手法で撮ると、東京の街もオモチャのように見えてきてしまいます。

本城直季 (un)real utopia

ビルや自動車、そして人びとがミニチュアのジオラマのように写っているので、ついつい細かいところまで目を凝らして見てしまいます。

本城直季 (un)real utopia

オモチャっぽく見えるのは自然溢れる景色も同じ。北海道の山々もこうやってみるとなんかジオラマの庭のよう。「箱庭」とはこれのことか、と思えるくらい。

本城直季 (un)real utopia

宝塚歌劇団のステージもこうやって切り取ってみると「宝石箱」か「ドールハウス」のよう。“Treasure Box”と名づけられたシリーズだけど、確かに名前の通りかも。

本城直季 (un)real utopia

一方で、こんな写真も。
“tohoku 311”シリーズでは、津波に襲われた街の様子を空撮しています。

本城直季 (un)real utopia

東京の街角の夜景を撮ったコーナー。下の写真ではだいぶ明るくなっていますが、実際はコーナーごと薄暗い状態になっています。それまでが明るいライトの下で作品鑑賞していたので、このコーナーに入ると目も慣れていないから余計に暗く感じました。さらには被写体も薄暗い路地だったりするので、初めは何が写っているのか分からなかったくらい。でも、徐々に目が慣れてくると見慣れた(ような)景色が並んでいました。

本城直季 (un)real utopia

どこの街にもありそうな一角。何気ない風景なのに、暗さの中で見るとなんか怪しい雰囲気が漂ってきます。

本城直季 (un)real utopia

こちらは京都。立派な神社仏閣もプラモデルみたい?

本城直季 (un)real utopia

「kenya」は、アフリカのサバンナで撮影を行ったシリーズ。ポツンと写った象は人形のよう。ひょいと摘まんで持ち上げられそう。

本城直季 (un)real utopia

学校の校庭を写したシリーズ。「本城スタイル」で撮ると、子どもたちの姿がクローズアップされています。

本城直季 (un)real utopia

感想

私が本城直季を知ったのは「small planet」で2006年度木村伊兵衛賞を受賞して色々なところで紹介されるようになってからかな。ミニチュア・ジオラマのような作品は、一度観たら忘れない。「これは面白い。どうやって撮るんだろう?真似してみたい!」と思ったのを覚えています。「LENSBABYのレンズ、買っちゃおうかな。でも高いな。。。」と迷ったりもしたな。

と、そんな想い出を思い出しつつ、観て回りました。驚いたことに、大規模個展は今回が初めてなのだとか。そのためか(?)未公開作品も含んで、展示数は約200点。見応えがありました。なにせミニチュアのような作品ですから、小さい部分まで見入ってしまうので、200点あるとかなり時間がかかってしまいましたよ。
運動会をしている子どもたちや、サバンナを走り回るダチョウ、そしてどこか見覚えのあるビル。見ちゃいますよ、じっくりと。文字通り、そこにだけピントが合っていて、そしてちょっとビビッドな色合いになっているので、すっと引き込まれてしまいます。

さらには、そんなミニチュア風だけではない作品も今回は一杯、展示されていて、新たな一面を知ることもできた。夜の街角を撮った「LIGHT HOUSE」シリーズは、「ああ、こんなありふれた場所なのに、ちゃんと絵になるんだ」と驚かされました。確かに、いつもの見慣れた風景も、夜の闇の中で見ると表情が違ってくる。当たり前だけど、なるほどこれは面白いと思わせてくれた。あの、薄暗い展示スペースの雰囲気もよかったな。
今度、夜の散歩写真、してみるか。そんな気にさせてくれる作品群でした。

東京タワーと増上寺の森。私が働いているオフィスがここに写っているんで、じっくり観察しちゃいました。まあ、自分が写っていることはないでしょうけど、なんかいそうで見ちゃいましたよ。

本城直季 (un)real utopia

写真展情報

  • 会期:2022/3/19 (Sat) – 2022/5/15 (Sun)
  • 開館時間 : 10:00 – 18:00(木曜日、金曜日は20:00まで))
  • 休館日: 月曜日
  • 料金 : 一般 1,100円 学生 900円 中高生・65歳以上 550円 小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料
  • 公式サイト : 本城直季 (un)real utopia
  • 図録 : 3,300円(税別)
  • 参考書

コメント

  1. 中野 潤子 より:

    精力的な写真家ですね。こんな大規模な写真展見ることないです。コロナになって東京3年は行ってませんからね。すっかり刺激のない生活に浸りきっています。8月には孫を連れて京都に行く計画、我々の京都行の最後かもしれません。気づかぬうちに歳を取りカメラが重くなり・・・になっています。ここをお訪ねして心を動かされています。

    • bunjin より:

      私が最後に京都に行ったのはパンデミック前だったので、どこも大混雑でした。今ならゆっくり見物できるんですかね。
      カメラも軽量化していきますから、まだまだ大丈夫ですよ!