FACE展2020 損保ジャパン日本興亜美術館 42階で最後の開催

FACE展2020 美術展・写真展

新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中の「FACE展2020 損保ジャパン日本興亜美術賞展」を見てきました。
企画展エリアでは、注意に従った上で写真撮影OKとなっています。ゴッホの「ひまわり」などの収蔵品は撮影禁止なので注意願います。

展示内容

損保ジャパン日本興亜美術賞展」とは、名前の通りで損保ジャパン日本興亜美術財団が年に一回開催している公募展です。今年度は875名の作家から応募があり、入選作品71点(内受賞作品9点)が決定され、その作品が展示されています。

面白いのは、オーディエンス(つまりは、あなたや私のような一般のお客さん)が展示されている入選作品の中から気に入った一枚を選んで投票し、”オーディエンス賞“が決まるというもの。こういう企画があると、楽しみながら、そして「どの作品が良いかなぁ。。。」と興味を持ってじっくりと観賞できますね。

展示構成は以下の通り。

  • 入選作品71点展示:写真撮影OK
  • 収蔵作品展示(東郷青児やゴッホ、セザンヌなどの作品):写真撮影NG

受賞作品は以下の9点。

  • 優秀賞:大槻和浩 「明日を見つめて」
  • 優秀賞:齋藤詩織 「女狩人のごちそう」
  • 優秀賞:松浦清晴 「身体記」
  • 優秀賞:小俣花名 「朝ご飯」
  • 読売新聞社賞:木股創志 「木漏れ日・慟哭(05-19)」
  • 審査員特別賞:木村不二雄 「崖屋美術館」
  • 審査員特別賞:高木陽 「世界は均衡を望む」
  • 審査員特別賞:財田翔悟 「とるにたらない」
  • 審査員特別賞:檜垣春帆 「ライツ・ライト」

審査員特別賞:木村不二雄 「崖屋美術館」の作品は、木造のなのに五階建ての長屋(?)が並び、そこには見たことのある人々がびっしりと描かれている。ボッティチェリのビーナスがいたり、イエスさん御一行が最後の晩餐を開いていたり、黒猫を抱く女(竹久夢二の「黒船屋」)が佇んでいたり、かと思えば伊藤若冲の白象が川で水浴びしていたり、鳥獣戯画の兎と蛙が相撲を取っている。
で? と言いたくなってしまう。でも、じっくりと一人ずつ(一匹ずつ?)見てしまう。そして、惹かれてしまう、不思議な作品。

FACE展2020「崖屋美術館」「とるにたらない」

優秀賞:大槻和浩 「明日を見つめて」は、虚ろな眼差しどころか、顔自体がおぼろげだ。明日が見えにくいのか、今の自分の存在感があやふやになっているのか、それとも明日を迎えられるか分からないほどの病にかかっているのか。。。

審査員特別賞:高木陽 「世界は均衡を望む」は、変わった格好の石、岩、山がびっしりと、整然と並んで描かれている。人の顔のように見えるものばかりだ。しかも、近寄って見ないと分からないくらいに小さな文字で全てのパーツに”台詞”が書かれている。”I put my palms together for a prayer.”などなど。
しかも、しかも、一枚だけ本当の(?)人が描かれている。さて、彼は何者なのだろうか。

自画像らしい。。。

全体的に、カラフルでアニメ風な作品が多いだろうか。

感想

現代アートはやっぱり難しい。アニメーションやCG画のような”雰囲気”がする作品が多いと思えた。若い作家たちは、子供の頃からそれらに触れて、眺めて、読み込んで育ってきた訳で、世界観が刷り込まれているのだろう。それを否定する記は全くないのだが、自分の感覚とちょっと違っているのだ。時代の流れ、流行の流れ(流行り・廃り)が加速している今の世の中。世代間格差は思った以上に大きいのかも知れない。新しいものを受容するにはある程度の期間がかかるのだろうが、そうしている暇がないくらいに変化が大きいのかも知れない。

と、年寄りっぽいことを言うようになってしまった自分に寂しさを感じつつ、それでも多種多様な作品群を楽しめました。非常に写実的に描いていながら、それでいてどこか空虚な、フェイク感すら感じてしまう「自画像」にはなぜか惹かれてしまった。
夢で見たイメージを描いている(と思われる)作品もあった。意識が集中しているポイントはきっちりと描かれているのに、周辺は歪んでいる。夢の世界って、確かにこんなかも。記憶の中の世界はいつも虚ろだ。

私が「オーディエンス」賞として投票したのは?

さて、みなさんはどの作品が気に入るでしょうか。
私が選んだのはこちら。この作品、描く道具やタッチから「日本画」に分類されるようです。狩野派や琳派も派手派手な作品が多いが、こちらは違った意味でインパクト大。伝統の先にある革新はやはり面白い。

FACE展2020「眼差しの先」
16番 猪上亜美 「眼差しの先」
オーディエンス賞投票

42階から引っ越し

ところで、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館はこの企画展をもって”閉館”となってしまうんです。1976年の開館以来、数々の企画展を行ってきた歴史ある美術館がなくなっちゃうんです。そのお別れを惜しんで、一階のロビーでは過去の企画展のポスターがずらりと展示されてます。

「歴代の企画展ポスター」展

このボタンを押すことももうないのかと思うと寂しい。。。。

42階の美術館

で、42階はクローズとなるんですが、隣に新館が建設中で、2020年5月28日、SOMPO美術館が誕生します。いやぁ、おめでたい! そして、何よりも名前が短くなって、ブログを書くのにも助かる!!

案内パンフレット「Sompo Museum of Art」を見ると、なんか凄そうですよ。五階建ての独立したビルになって、中も外もオシャレな空間になるようです。「ごっほの「ひまわり」も、もっと見易くなる」とあるけど、どんな風に展示されるのかな。それも楽しみですね。
建て替えではないので、空白期間が短いのもグッド。すでに「開館記念展」として収蔵品から逸品を選んだ企画展が予定されているようです。

42階からの景色が眺められなくなるのは寂しいけど、新しい美術館に期待しましょう。

42階からの眺め

美術展情報

コメント

  1. […] […]