サントリー美術館の「美を結ぶ。美をひらく。」展でお気に入りを見つけよう

「美を結ぶ。美をひらく」展 美術展・写真展

サントリー美術館で開催中の「美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語」展を観てきました。

なお、この美術展では、一部を除いて写真撮影はOKです。

展示内容

リニューアルオープン展の第三弾。収蔵品から選ばれた作品群を紹介する企画展となっています。公式サイトの説明は以下の通り。

本展覧会は日本美術を軸に、江戸時代から1900年パリ万博の約300年間にちりばめられた「美を結ぶ物語」「美をひらく物語」を、サントリー美術館の珠玉のコレクションから選び取ってみました。欧州も魅了された古伊万里、将軍家献上の使命で研ぎ澄まされた鍋島、東アジア文化が溶け込んだ琉球の紅型、西洋への憧れが生んだ和ガラス、東西文化が結びついた江戸・明治の浮世絵、そして異文化を独自の表現に昇華したガレ。国・時代・素材を越えて結び、ひらいた6つの美の物語をお楽しみください。

リニューアル・オープン記念展 Ⅲ 美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語 サントリー美術館

また、展示構成は以下の通り。

  • Story1: ヨーロッパも魅了された古伊万里
  • Story2: 将軍家への献上で研ぎ澄まされた鍋島
  • Story3: 東アジア文化が溶け込んだ琉球の紅型
  • Story4: 西洋への憧れが生んだ和ガラス
  • Story5: 東西文化が結びついた江戸・明治の浮世絵
  • Story6: 異文化を独自の表現に昇華したガレ

十七世紀、ヨーロッパで中国の磁器製品が人気となる。しかし、清朝勃興期の政情不安で供給が激減。その間に日本から古伊万里の磁器が輸出量を上げていき、人気になった。

いわゆる“コピー商品”から始まった訳だが、徐々にオリジナリティも出てきてその様式美を確立しています。

「美を結ぶ。美をひらく」展

江戸時代、佐賀藩(鍋島藩)が主に将軍家献上品として、藩営の鍋島藩窯で製作されたのが鍋島磁器。
円形の皿という“キャンバス”に適した図像・紋様を考案し、独特の意匠を生み出している。

「美を結ぶ。美をひらく」展

2018年、「琉球 美の宝庫」展がサントリー美術館で開催された直後に首里城火災が発生し、多くの文物が消失してしまったのは残念で仕方ない。

今回の企画展では紅型(琉球王国の染織り物)と、その型紙が多く展示されている。

「美を結ぶ。美をひらく」展

型紙は、本来は織物製作のための道具に過ぎない存在だ。だが、その繊細さ、技術の粋が込められた意匠は、それ自体が美しい。

真上から当てられた照明によってできた影と相まって、その美しさが際立っていた。
細かい網目模様は、型紙補強のために張られた糸。糸掛けと言われる技法によって張り巡らされていて、百年以上に渡って細かい・細い意匠・紋様を守っている。

「美を結ぶ。美をひらく」展

国産のガラス製品が本格的に生産されるようになったのは江戸時代に入ってから。ヨーロッパの技術を取り入れつつ、「びいどろ」・「ぎやまん」と呼ばれる新たな様式美を生み出していった。

「美を結ぶ。美をひらく」展

江戸時代から明治になって、浮世絵は西洋絵画の技法(遠近法・明暗方)も採り入れ、またテーマも時代の流れに沿って変えていった。だが、世相や風俗、時事ネタを描くという浮世絵の本質は変わることなく、新たな時代にも適合していったのだ。

昨年(2019年)、サントリー美術館では新たに多くのエミール・ガレの作品をコレクションに加えたとのこと。
今回はガラス製品がメインだが、家具も展示されている。年月を経た木製の家具の渋い輝きが美しい。

「美を結ぶ。美をひらく」展

小動物や昆虫、そして植物をモチーフによく用いているガレの作品。こちらはキノコの意匠のランプ。

「美を結ぶ。美をひらく」展v

感想

収蔵品をどどーんと並べたため、全体としての統一テーマがあるとは思えませんが、そんなことは関係なし。一つ一つの作品が素晴らしい物なので、個々に眺めれば良し、と言う企画展でした。

今回、紅型やガラスの器の展示に、天井からのライトが当たって、いや透き通ってとても綺麗だったのが印象的。こういう展示方法、いいですね。展示作品そのものももちろん美しい物ばかりですが、こうやってその魅力をさらに引き出している。その意味では、ガレのランプも実際に灯りを点してくれたら、もっと魅力的になったんじゃないかな。

ジャポネスクの作品たちにはやはり親近感が湧きます。その一方で、輸出用古伊万里の作品群は、ヨーロッパ市場向けのためにだいぶ雰囲気が異なっていて、それはそれで面白かった。ヨーロッパの人びとから見たアジアの感じを上手く表現している、中国っぽい雰囲気の女性が描かれた作品など、“ユーザーニーズ”にマッチさせた工芸品。今に通じるものがあります。

鍋島磁器には伝統美と共に、モダンな雰囲気も見せた作品群が展示されていて、こちらも別の驚きが。Francfrancにおいてあっても違和感がないくらい、お洒落なデザインの皿がいくつも。

「美を結ぶ。美をひらく」展

あと、浮世絵のコーナーに展示されていた、小林清親の“光線画”も面白かった。江戸時代の浮世絵とも違うし、西洋画ともまた異なっている、不思議な雰囲気の作品群でした。なんでしょうかね、アニメのセル画に似ているのかな。なかなか説明しづらい。でも、気に入りました。

今回の企画展、タイトルの通り、色々な美しい物を楽しむことができました。

美術展情報

メンバーズクラブに入会しました

今シーズン、タイミングを逸して東京都写真美術館の年間パスポートを購入し損ねたんですが、代わりにメンバーズクラブ サントリー美術館に入会しました。本人だけではなく、同伴者も一名まで無料で企画展が観られるとのこと。メンバーカードも雅なデザイン。
何回でも無料だし、これからは六本木(乃木坂)に来たらサントリー美術館に寄って、昼はまる彦でラーメンが定番コースになるかな。

コメント

  1. 中野潤子 より:

    メンバーすカードを手にしたのですか。いいですね。

    • bunjin より:

      回数無制限とか、同伴者OKとか、実はコストパフォーマンスが最高かも知れません、このメンバーカード。

  2. 東雲 より:

    サントリー美術館・・・、
    友人と訪れたのは、一体何年前だったかなぁ・・・、と
    思い出せないくらい 遠い昔の事のようです。(・・;)

    最後のお皿、素敵ですね~~!
    また友人を誘って行きたいけれど、
    「東京への不要不急の外出自粛要請」が出てしまって・・・(涙)

    • bunjin より:

      リニューアルオープン!とのことでしたが、どこが変わったのかよくわからなかったかも。なので、数年ぶりだとしても迷うことはないですよ、きっと。
      ワクチン接種が行き渡るのは半年・一年先のようだし、なかなか厳しいですね。