「セレンディピティ 日常のなかの予期せぬ素敵な発見」展

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セレンディピティ 美術展・写真展
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恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館で「セレンディピティ 日常のなかの予期せぬ素敵な発見」展を観てきました。

この企画展では写真撮影OKです。ただし、三脚・フラッシュNGなどの注意事項には従ってください。

展示内容

公式サイトによると、

本展覧会では、約3万7千点に及ぶ当館の収蔵作品のなかから、セレンディピティをキーワードに、ありふれた日常の何気ない一瞬を撮影した作品などを見ていきながら、写真家たちに訪れたささやかな心の機微を探ります。そしてまた、展覧会を見るという行為自体も、予期しない出来事との出会いにあふれた、セレンディピティな体験です。 何年も続く制限された日々のなかで、様々な辛い出来事や不都合な出来事をたくさん経験してきた私たちですが、こうした写真家たちの視点をヒントに、セレンディピティの産物としての癒やしや心の豊かさを回復する種を見つけることができるかもしれません。

とのこと。

展示構成は以下の通り。

  • しずかな視線、満たされる時間
  • 窓外の風景、またはただそこにあるものを写すということ
  • ふたつの写真を編みなおす
  • 作品にまつわるセレンディピティ

何気ない風景やありふれた物が写っているだけなのだが、なぜか不思議な魅力を放っていたり、そこに物語を感じたりする、そんな作品が並んでいる。

「紙屑が3個」って、まさにその通り。一個の時には影を纏って寂しげ。でも、二個、三個となっていくと、互いに見つめ合い、仲良く語っているように見えてくる。見る側が、勝手にそこに意味を見いだそうとしてしまうからなのだろうが、いや、不思議な感覚。

セレンディピティ

駐車場らしきところで壁に向かって佇む男。彼の影が壁に伸びている。ただそれだけなのに、何かを企んでいるスパイ? これから“ミッション”に向かう殺し屋? 人生に疲れて茫然自失となっている男? などなどと、色々なシーンに見えてくる。

セレンディピティ

視点を変えることによって何気ない風景が違って見えてくる。人の脚かと思ったら馬(?)の脚も混じっている?でも、ぱっと見には見分けがつかない、騙されたような感覚だ。

セレンディピティ

全く異なった作品なのに、横に並べてみるとなぜか類似性があったり、ストーリーが生まれたり、シンクロナイズする。

セレンディピティ

窓の外の景色。いつもの景色なのに、窓というフィルターを通すと違った表情を見せてくれる。雨の日はまた格別のようだ。

セレンディピティ

電車の窓から見える景色は流れるよう。それをそのまま流し撮りしたらいつもの景色がバーコードに見えてきた?!

セレンディピティ

自宅の部屋の窓から見える景色。もちろん、一年中同じものが見えているのだが、季節や時刻によってその表情は一期一会。

セレンディピティ

額縁を窓枠風にしたら、まさにそれはいつもの景色そのものになった。寝ぼけ眼で見た、強い陽射しに照らされた景色はまだ色も定まらないのだろうか。

セレンディピティ

感想

セレンディピティって聞き慣れない言葉ですが、「棚からぼた餅」、「もっけの幸い」ってことですかね。作者が意図して狙った結果もあるだろうけど、シャッターを押す時には思ってもいなかった意味が読み取れるものになったということでしょう。作者の手を離れた作品の解釈は見るものに委ねられる訳ですが、その振れ幅がとっても大きな作品群でした。

牛腸茂雄の〈日々〉シリーズは、駐車場に男が立っていたり、窓の下に自動車が止まっているだけの風景なのに、ものすごく物語性を感じてしまう。一見、誰でも撮れそうな、ありふれたシーン。でも、違うんですよねぇ。うーん、何が違うんでしょう?いや、不思議。でも、これは”偶然の賜物”ではないんでしょうねぇ。作者はちゃんと狙っているんだろうなぁ。セレンディピティなんて言ったら、実は怒られちゃうかも?!

二つの作品を並べてみると、また異なった意味が生まれるというのも面白い。自分で撮った写真も改めて見てみると、何か楽しい発見があるのかなと期待してしまう。もちろん、自分の場合は全くの偶然を期待するしかないでしょうけどね。

新しい写真の見方を教えてくれる写真展でした。

遅ればせながら年間パスポートも更新したし、また恵比寿へ通わねば。

写真展情報

  • 会期:2023/04/07 (Fri) – 2023/07/09 (Sun)
  • 開館時間 : 10:00 – 18:00(木曜日、金曜日は20:00まで))
  • 休館日: 月曜日
  • 料金 : 一般700円 学生 560円 中高生・65歳以上 350円 小学生以下および都内在住・在学の中学生、年間パスポート提示者は無料
  • 公式サイト : 東京都写真美術館
  • 図録 : 1,800円(税込)
  • 参考書

コメント

  1. 中野 潤子 より:

    面白い企画ですね。地元だったら絶対に見に行っていましたね。解説でとても楽しく想像できました。私も窓を見るときの視点が変わりそうです。2階の部屋からいつもおなじ場所を見ていますが、その景色は変わります。何度もカメラを向けています。これからの視点が一層ひろがりました。ありがとうございます。

    • bunjin より:

      東京都写真美術館の収蔵品展なんですが、毎回テーマを変えて楽しい企画をしてくれます。まさに視点を変えると同じ作品でも違って見えてくるんです。