★ あらすじ
「TOKYO MER(Mobile Emergency Room)」は、都知事が創設した、都知事直轄の組織。緊急手術が行える施設・装備を備えた車両(ERカー)で、医師や看護師たちが事故・災害現場に直行し、患者たちを救助(医療処置)を行う。そのチームを率いるのが医師の喜多見チーフ。海外での経験も豊富で、腕は確かだが、患者の命を救うためには危険な災害現場に自ら飛び込んで行ってしまう。結果、何度も命の危機に見舞われる。が、その度にチームの仲間たちが助け合い、災害現場では一人の死者も出さないという使命を持って望んでいた。
MERの活躍を見て、厚労大臣は「全国に厚労省直轄MERを設置し、成果を上げたい」と躍起になっていた。そして、TOKYO MERの監督官となっていた厚労省の音羽をトップに据え、YOKOHAMA MERの試験運用を始めたのだ。YOKOHAMA MERでは、災害現場に飛び込むなどの危険行為を犯すことなく、医師たちの安全も確保した活動をするというのがモットー。チーフドクターには、音羽の元恋人で、アメリカ帰りの鴨居が就任した。
そんな政治的な争いの中、大災害は突如、やってきた。ある男がランドマークタワーの各階にガソリンを大量に持ち込み、放火したのだ。しかも、事前にスプリンクラーの制御施設も破壊していた。幸い、休日だったので、爆発が起きた中層階のオフィスフロアーには人がほとんどおらず、人的被害は大きくなかった。しかし、スプリンクラーが作動せず、展望フロアーにいた大勢の人びとは非常階段での避難ができずに孤立してしまった。
横浜で起きた大規模災害。もちろん、YOKOHAMA MERに初の出動命令が下される。そして、大規模災害ということで都にも応援要請があり、TOKYO MERも出動した。かくして、ランドマークタワー火災現場は両者の“対決”の場となってしまったのだ。考え方の異なる二つのチームは、現場でいきなり衝突してしまう。その間も火災は上階へと広がっていく。展望フロアーに取り残された人びとはどうなってしまうのか。。。
★ キャスト&スタッフ
- 出演:鈴木亮平、 賀来賢人、 中条あやみ、 菜々緒、 小手伸也、 佐野勇斗、 ジェシー、 ファオンチー、 杏、 要潤、 仲里依紗、 石田ゆり子、 鶴見辰吾、 橋本さとし、 徳重聡、 渡辺真起子、 古川雄大、 他
- 監督:松木彩
- 脚本:黒岩勉
- 制作:高橋正尚、 八木亜未、 辻本珠子
- 音楽:羽岡佳、 斎木達彦、 櫻井美希
- テーマソング:平井大
★ 感想
TBSで同名のドラマが放映されたのは2021年。日曜劇場の枠だった。1990年代に放映されていた「ER緊急救命室」(ジョージ・クルーニーやノア・ワイリーなどが出演していた救急医療室を舞台にしたドラマ)の大ファンだった私としては、リアリティのある手術シーンに惹かれて、毎週、楽しみに見ていた。もっとも、リアルな手術などは経験したことも見たこともないので、「ER緊急救命室」と似た雰囲気で医療用語が飛び交い、医師や看護師、麻酔科医らがテキパキと“作業”をこなすシーンが気に入ったのだ。そんな訳で、映画化された本作もしっかりと映画館に観に行ったのでした。
話の筋としては想像を裏切らない感じです。主人公とライバルとの対立や、“悪い人”による妨害など、キャラクター設定がはっきりしているので、その点でも安心して観られます。そして、どんな苦境に遭っても仲間同士助け合ってがんばる姿は、ワンピースやアベンジャーズと同じ雰囲気で、共感し易いのだと言えます。
パニックのシーンやアクションシーンはかなり迫力あり。火事の映画というと、古くは「タワーリングインフェルノ」、そしてユニバーサル・スタジオのアトラクションでもお馴染みの「バックドラフト」がありますが、本作でもなかなかでしたよ。基本はCGですが、いきなりドカーンと爆発が起きて壁が吹き飛び、主人公たちも転げ回るなんてのが急に来るんで、ドキッとしてしまいました。
それにしても、主人公を演じた鈴木亮平は凄いですね。あんなに難解な医療用語を話ながら、手術の動作もこなしていて、本当のスーパードクターのよう。実際の手術ってどんなものかは知りませんが、あれだけスピーディーに処置してくれたら、確かにどんなに重症でも助けてもらえそう。格好いいですよ。医療もののドラマはこうでなければいけませんね。
ということで、エンターテインメント作品として、期待を裏切らずに楽しめた作品でした。
★ 公開情報
- 公開日:2023/04/28
- 主な上映館:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、 TOHOシネマズ 渋谷、 新宿ピカデリーなど
- 公式サイト:劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』
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