「千葉正也」個展 これは静物画の新しい奴なのか?

美術展・写真展

Windam Art PRさんから招待券をいただき、東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の「千葉正也個展」を観てきました。

この企画展では写真撮影OKです。ただし、三脚・フラッシュNGなどの注意事項には従ってください。

展示内容

公式サイトの説明によると

千葉正也(1980 生)は、現在東京・八王子エリアを拠点に活動し、個展のほか、国内外の数多くのグループ展に参加。また、武蔵野美術大学、多摩美術大学などで後進の指導にあたるなど、時代を担うペインターのホープとして大きな期待と注目を集めています。

美術館では初となる今回の個展では、彼が一躍注目を集めるきっかけとなった《平和な村》(2006年、高橋龍太郎コレクション蔵)をはじめ、国内外の美術館や個人が所蔵する2006年以降の彼の代表作が一堂に会します。また、ユニークなドローイング作品のほか、新作のペインティング、映像作品、大がかりなインスタレーションもあわせて展示します。

千葉正也個展[展覧会について]|東京オペラシティアートギャラリー

とのこと。

なんとも表現・説明のしようがないので、その写真を並べるだけにしたいくらい。
だって、いきなりハートマークがドンと置かれているだけだったりするのだから。

美術展には必ず”係員”が座っていて、見学者が悪さをしないか見張っている。通常、彼ら・彼女らは見学者の邪魔にならないように、静かに座っているだけだ。だが、画家の手にかかると温かな電気カーペットの中でピースサインをすることになってしまう。

黄色と青の液体を上から流し込むと、テーブルの上に作られた川(?)を流れ、下に垂れていく。

手前の絵はほぼ正方形のキャンバスに描かれている。一方、右奥の同じものを描いた絵は、キャンバス自体が既に台形になっていて、パースがそれ自体に作り込まれている。これを錯覚と呼べるのか、そのまま見えているままなのか、何とも言えない。

超大作で知られる「宇宙英雄ペリー・ローダン」の文庫本が並ぶ。翻訳されたものだけでも何百巻になるシリーズだ。余りの長さに手前の人物は頭から水が溢れ出してしまっている。

何気ない風景に向けられたカメラ。だが、ビューワーに移っているのは風景とは関係のないオブジェだ。

テーブルの上にはオモチャのようなオブジェが一杯。複雑に絡んでいる。

感想

抽象画のようでいて、やけに描かれているものがリアル。ヘンテコな工作物だったり、石膏像のようなものだったり。これらは実際にこのように作られて、そしてそれを絵にしたらしい。詰まりは、花や果物をテーブルに置いて描く静物画ということだ。

いや、それにしても、なんとも“funny”だ。粘土細工だったり、針金細工だったり、植物の鉢植えやパソコンのディスプレイなんかも描かれている。やけに質感がリアルなのも目に付く。そんなところも静物画という絵画のテクニックを“踏襲”しているのだろうか。確かに、果物がとってもフレッシュだったり、花瓶のガラスがキラキラと光っていたりする静物画はよく目にする。そして「上手い絵だなぁ」と思う訳だ。となると、作者の作品も同様に「上手い絵」と言うことになるのだろうか。なんか騙されたような気分になる。絵画のテクニックとしてはオーソドックスというか、古典的なのに、やっぱりモダンアートだ。観ている側の足元がぐらぐらと揺すられて、めまいがしそうだ。

展示スペースを使って(それに合わせて)、作品の配置だけではなく、その空間自体も作品の一部にしてしまっているようだ。水を流す樋のような構造物が展示スペース内に繋がっていて、観るものはその間を縫うようにして進まねばならない。時に視線を遮られ、時にクネクネとした道順で歩かされる。そんな右往左往している自分や他の見学者たちもディスプレイに映し出されていて、作品の一部に取り込まれてしまっているのだ。なんとも癪に障る、憎たらしい演出だ。

不思議な体験でした。絵画を観た・美術展を観たというよりは、アトラクションを楽しんだ感じかな。初めての感覚で、とても楽しめました。

美術展情報

コメント

  1. 中野潤子 より:

    新しい分野の静物画、言われてみるとそうかもしれませんね。

    • bunjin より:

      この様式に名前を付けて欲しいですね。なんかしっくりくる呼び名はないかな。