舞台 「スマホを落としただけなのに」 スリリングな展開に引き込まれました

舞台 スマホを落としただけなのに 映画・演劇
以下の内容は、いわゆる「ネタバレ」を含んでいます。

あらすじ

富田誠は酔ってスマホを落としてしまう。恋人の稲葉麻美が誠に電話をかけると、見知らぬ男が応えた。スマホを拾ったとのこと。麻美はそれを信じ、カフェに預けてもらったスマホを受け取った。だが、それから誠と麻美の間にはおかしな事が起き始める。クレジットカードを不正に利用されたり、誠が他の女性と会っている写真が麻美のアドレスにメールで送られてきたり。そんなことが続いて、二人は別れてしまう。

黒髪のロングヘアーの女性の遺体が二体、発見される。神奈川県警の刑事 後藤武史は、行方不明の女性の部屋に勝手に入り込んでいた浦野善治を家宅不法侵入で “別件” 逮捕していたが、浦野を連続殺人犯だと睨んで取り調べを行っていた。だが、サイバー犯の浦野に対し、「捜査は脚で」タイプの後藤では歯が立たない。「浦野善治」という名前さえ、まだ聞き出せていなかったのだ。仕方なく県警では浦野のことを収監されている部屋番号で「八番」と呼んでいる始末だ。そこで県警はその道のプロである加賀屋学をサイバー担当として雇用し、捜査に充てることにする。

加賀屋は、浦野から押収した十数台にも及ぶスマートフォンの解析から始めて行く。そこに残されたハッキングの痕跡を見つけ出し、浦野に聴取をする。だが、浦野は相変わらず名前も名乗らず、加賀屋たちを見下すような言動を続けている。
ついに加賀屋はスマホからクレジットカード不正利用の跡を見つけ出す。それは、スマホを落としたためにトラブルに巻き込まれた富田誠のものだったのだ。

富田から事情を聞くと、恋人の稲葉麻美が音信不通だと知る。彼女も黒髪のロングヘアーであることを知った県警の刑事たちは顔色を変えたのだった。

キャスト&スタッフ

  • 出演 : 辰巳雄大、浜中文一、早川聖来、佐藤永典、原田龍二、伴美奈子、三浦修平、真坂雅、北村由海、高畠麻奈、野依健吾、山田良明
  • 演出 : 横内謙介
  • 脚本 : 横内謙介
  • 製作 : 前田名奈

感想

以前、原作を読んだことがありました。その感想はこちらの記事を見てください。

映画(「スマホを落としただけなのに」)は観ていないので、そちらがどうなっているかは知らないのですが、舞台版は原作とはキャラクター設定が変わっていました。また、舞台版ではいきなり “犯人” が(別件ではあるものの)捕まっているのが大きな違いかな。取調室でのシーンを中心にするための設定変更なのでしょう。舞台だとあっちこっちに “動き回る” 表現は難しいでしょうから。
となると、原作では主人公の麻美が犯人に追い詰められていく恐怖がメインだったのですが、それがどうなるんだろう?と思って観ていったんですが、なかなか良くできた筋書きでした。捕まったものの、名前も何もわからない犯人ということで、謎をちゃんと解き明かしていく形になっている。それは、刑事の加賀屋が犯人を上回るハッカーという設定で、両者の攻防が展開されるというもの。
また、麻美の過去が事件の鍵を握るというのはそのままでしたが、犯人との関係性は異なった形で描かれていて、これはこれでアリだなと思えました。

ドラマシーンを映像で流したり、舞台装置だけではなく、これまた映像で犯人の部屋を写したりと、舞台演劇の枠をちょっと越えた形になっていて、より話に入り込み易い描き方でした。効果音もいい感じで、ハラハラドキドキを強く感じられましたよ。ドラマや映画とは違った、生の舞台だからこその緊張感も加わり、サスペンスものは面白いなぁと素直に楽しめました。
ちなみに、原作も映画も未経験の奥さんと一緒に観に行ったのですが、面白かったとのこと。

乃木坂46早川 聖来がヒロインということで観にいった訳なのですが、贔屓目なしに観ても良かったですよ。複雑な過去を背負った女性という役でしたが、涙をにじませた瞳をキラキラさせてのシリアスな演技に見入ってしまいました。今後の活躍が楽しみです。
ほんと、このグループのメンバーはみんな芸達者ですねぇ。

COVID-19のパンデミックのために去年の春に途中で中断してしまった公演のリベンジだそうですが、残念ながら大阪公演は中止になってしまったそう。でも、東京公演はしっかり満席でしたよ。
原作には続編もあるから、いつかこちらも舞台にしてほしいものです。

公演情報

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