「聖徳太子と法隆寺」展

「聖徳太子と法隆寺」展 美術展・写真展

東京国立博物館で「聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」」を見てきました。

展示内容

公式サイトの説明によると

令和3年(2021)は聖徳太子の1400年遠忌にあたり、これを記念して特別展「聖徳太子と法隆寺」を開催します。会場では、法隆寺において護り伝えられてきた寺宝を中心に、太子の肖像や遺品と伝わる宝物、また飛鳥時代以来の貴重な文化財を通じて、太子その人と太子信仰の世界に迫ります。特に金堂の薬師如来像は日本古代の仏像彫刻を代表する存在であり、飛鳥時代の仏教文化がいかに高度で華麗なものであったかを偲ばせてくれます。

東京国立博物館 – 展示 日本の考古・特別展(平成館) 聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」

とのこと。

展示構成は以下の通り。

  • A 聖徳太子と仏法興隆
  • B 法隆寺の創建
  • C 聖徳太子と仏の姿
  • D 法隆寺東院とその宝物
  • E 法隆寺金堂と五重塔

会場に入ると、出迎えてくれるかのように展示されているのが「如意輪観音菩薩半跏像」。神格化された聖徳太子が菩薩の姿で仏像となっている平安時代の作品。
聖徳太子は、中国から渡来した仏教に帰依し、これこそ国の繁栄に必要と考えて積極的に導入を図った。最初のコーナーでは、聖徳太子の生きた飛鳥時代に作られた仏具や仏像の数々が展示されている。
中でも「夾紵棺断片」は、絹を四十五層に重ねたものを漆で固めた“板”の断片。当時の棺桶は麻布を同様に重ねて漆で固めた板で作られていたが、絹を使っているところから高貴な人のものと想定できる。そう、これが聖徳太子の棺桶(の断片)なのではないかと伝えられているのだ。

聖徳太子は自宅(斑鳩宮(いかるがのみや))に隣接して法隆寺を創建した。この寺を中心に、仏教の普及を進めていったのだ。飛鳥時代の軒瓦や鴟尾(宮殿・仏殿などの大建築の大棟(おおむね)の両端に取りつけた鳥の尾の形の飾り)の断片などが展示されていて、当時の面影を伝えている。
また、聖徳太子が制定したと言われている「十七条憲法」を記した日本書紀の写本も合わせて展示されていて彼の国造りの功績を顕している。

神格化された聖徳太子は様々な仏の姿として仏像になっている。
二歳にして「南無仏」と合掌しながら唱えたら手の中に仏舎利(釈尊の遺骨)が現れた、という伝説をモチーフにした「太子二歳像」や、勝鬘経を自ら講義した時の様子を描いたという「聖徳太子勝鬘経講讃図」など、彼の数々の伝説を元にした作品も多い。なお、 「太子二歳像」 の手の部分には仏舎利と思われるものが埋め込まれているのが確認されている。
聖霊院の秘仏本尊である「聖徳太子および侍者像」も、二十七年ぶりに寺外公開されている。現地で公開されるよりもより近距離で観ることができる貴重な機会だ。聖徳太子自身は、尺を持って威厳に満ちた顔つきだが、侍者の恵慈法師(高句麗の僧。太子の師)や山背大兄王(太子の息子)や兄弟たち(殖栗王(えくりおう)と卒末呂王(そまろおう))はなんともユーモラスな表情をしていて、その対比が面白い。

感想

小学校の担任の先生に梅原猛の「隠された十字架」が面白いと紹介され、夢中になって読んだ記憶があります。批判も多い本書ですが、歴史の見方は一つじゃない、定説を疑えと言ったことが学べる本でしょう。
まあ、最近は「聖徳太子は実在しなかった!」なんて説を唱える人もいるようだし、そもそもが実在したとしても千五百年近く前の人なのだから、そんなに細かいところは分かる訳もないでしょう。架空の人物だったとしても、その時代の歴史を一人の人物の生き様に凝縮した形で話が作られたのかも知れませんし、“彼”の業績を辿れば飛鳥時代の日本が分かるという仕組みになっているようです。

ところが、そんな飛鳥時代の仏像や仏具などが二十一世紀にまで残っていて、こうやって実際に観られるのだから、それだけでも凄い話でしょう。そして、展示されている品は国宝や重要文化財のオンパレード。とにかく貴重なものばかりです。日頃は薄暗い寺の中に収められていて、遠くからしか眺められない仏像が、こうして目の前で、しかも裏側までもぐるりと観て回れるのですから、ありがたい企画展です。

百年ごとに営まれるという「聖徳太子法要」が千四百年に当たる今年の四月に法隆寺で執り行われたそうですが、そこでも使われた輿(仏舎利塔や太子像を担ぐ)や、行列の人びとがかぶる面(迦楼羅や婆娑羅など)も展示されていた。音声ガイドではその様子が動画で観られますが、実際にその場に訪れて観てみたかったなぁ。

例によって日時指定の事前予約が必要(空席があれば当日でも可)ですが、東京でこれだけのものが観られる機会はまずないでしょうから行かない訳にはいかないでしょう。梅雨が明けて炎天下の東京ですが、飛鳥時代の雰囲気に触れて静かな時間を過ごすのも悪くないですよ。おすすめの企画展です。

美術展情報

コメント

  1. 東雲 より:

    こんにちは。
    斑鳩町の隣町(河合町)で7年程暮らしたことがあり、
    法隆寺はとても身近な存在で、何度か訪れてはいるのですが、
    子どもたちが小さかった事もあり、深くは観てなくて・・・。
    今この年になって改めて「もっとじっくり観ておけばよかったな」と
    そんな事を思います。

    • bunjin より:

      私は一度しか行ったことがなくて。パンデミックが収まったら行ってみたい場所の一つです。