「ゴジラ -1.0」

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ゴジラ -1.0 映画・演劇
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以下の内容は、いわゆる「ネタバレ」を含んでいます。

★ あらすじ

太平洋戦争末期、特攻隊機の不時着場となっていた大戸島へ、故障と偽って逃げてきた特攻兵の敷島は、そこで怪物(呉爾羅(ゴジラ))に襲われる。飛行機の整備兵たちがゴジラに殺されるも、敷島と整備兵の橘だけは命を取り留める。

終戦で東京に引き上げてきた敷島は、空襲で破壊された自分の家やその一帯に呆然とする。両親も亡くなっていた。しかし、他にいくところもなく、瓦礫を集めた掘っ立て小屋で暮らし始めた。そんなある日、街で赤ん坊(明子)を連れた女(大石)に出会う。それがきっかけで、彼女と赤ん坊も敷島の家に住み着いてしまった。その後、復興していく東京で三人はなんとか暮らしていく。

敷島は、機雷除去の仕事を見つけてくる。小さな木造船で機雷に近づき、機銃で撃って爆発させるという作業。危険ではあるが、給料はいい。三人で暮らしていくために選んだ仕事だ。射撃の腕は良かった敷島。そのお蔭で新たに家を建てるまでになった。仕事仲間の秋津(船長)、水島、元技術士官の野田ともうまくやっていた。
だが、機雷除去の作業中にまた、あのゴジラが現れたのだ。しかも、ビキニ環礁の核実験の影響で、ゴジラは以前よりも遙かに巨大で凶暴になっていた。敷島の目の前で巡洋艦がゴジラによっていとも簡単に沈没してしまった。

ゴジラはその後、東京湾に向かい始めた。政府は、パニックの発生を恐れ、ゴジラの存在を国民に知らせることをしない。結果、東京市民はいきなりゴジラの襲撃に見舞われてしまった。ゴジラは、戦後の廃墟からやっと復興してきた街を破壊し始める。敷島と大石も銀座の街でゴジラに遭遇し、逃げ惑う。そして、大石だけが爆風で吹き飛ばされてしまった。

生きる希望を失った敷島。だが、仕事仲間の野田から、民間主体によるゴジラ掃討作戦に誘われ、大石の仇討ちのため、立ち上がったのだ。
日本政府はもちろん、冷戦でソ連を刺激することを恐れて軍事活動を起こせない米軍(進駐軍)も頼りにならない。戦争の生き残りとも言える連中が集まった部隊だけでゴジラに立ち向かうこととなってしまった。
そして、一旦は海に戻ったゴジラが再び東京へと向かい、姿を表したのだった。敷島たちはどのようにしてゴジラに立ち向かうのか。彼らに勝ち目はあるのか。。。

★ キャスト&スタッフ

  • 出演:神木隆之介, 浜辺美波, 山田裕貴, 青木崇高, 吉岡秀隆, 安藤サクラ, 佐々木蔵之介
  • 監督:山崎貴
  • 脚本:山崎貴
  • 製作:市川南
  • 音楽:佐藤直紀, 伊福部昭
  • 衣装:水島愛子

★ 感想

評判通り、面白かった。

相変わらずゴジラは理不尽だ。最近、問題になっているヒグマだって、餌を求めて里に下りてくるということで、その行動は納得がいく。でも、ゴジラは違う。いきなり現れて人々を踏み潰し、熱光線で街を破壊してしまう。戦後、やっと復興してきたところだというのに。
その意味では、自然災害の象徴なのだろうか。大戸島だけで暴れていたゴジラが、原水爆実験によって巨大化・狂暴化してしまう。それは地球温暖化を原因とする気候変動によって旱魃・熱波や台風が過激になっていっているのと同じと言うことなのだろう。

そんなゴジラに立ち向かう人々。主人公は特攻隊の生き残りというか、逃亡者だ。その過去を“精算”するためにゴジラに特攻攻撃をかけて死んでしまう、というのがラストシーンだと見ながら思っていた。でも、その憶測は裏切られる。安易な自己犠牲の賛美にしなかったところは大いに評価できる。我々は自然災害を乗り越え、生きていくんだという宣言のようなものなのだろう。

前作(?)の「シン・ゴジラ」が群像劇というか、政府組織の人々を描いていたのに対し、今作は“市井の人びと”が中心になっている。特に、主人公に関しては引き上げ後の生活の様子が時間をかけて描かれている。その後のゴジラ襲撃のショックを高めるための仕掛けなのだろうが、ヒューマンドラマとしても良くできている作品だ。
ただ、頑張った結果としてゴジラもやっつけることができたというところに着地した、つまりはハッピーエンドになっていることは、「ゴジラ映画」の型にはまっているのかもしれない。カミュの「ペスト」のように、唐突に現れたゴジラは、なぜか分からずに去って行っても良かったのに。現実の世の中が余りにも先の見えない不安な状況にあると、そのような結末を受け入れられる余裕がないと考えたのだろうか。

と、ツラツラと書いてきましたが、エンターテインメントとしてとても面白い作品でした。ゴジラは本当に恐ろしい存在だったし、めげずに頑張る主人公たちも共感できたし。今回は普通のスクリーンで観たけど、これはIMAXやらDOLBY CINEMAで観るべき作品ですね。あのゴジラの咆哮を全身で感じたい、って思わせてくれます。リピーターが一杯いるようだけど、それも納得です。

いやぁ、面白かった。

★ 公開情報

★ 原作本、他

コメント

  1. 中野 潤子 より:

    息子が見に行って感激していましたよ。男性向きでしょう。

    • bunjin より:

      私は奥さんと一緒に観に行ったんですが、感情移入できるところがあったようで楽しんでました。「シン・ゴジラ」よりも広い層に受ける要素があるんじゃないかと思います。